
ナノテクノロジー・材料
2025.05.15
高圧力を用いた物質・材料評価
~ 圧力下で形成される新規状態の探索も含めて ~
理学部 物理学プログラム
高圧物性グループ

大村 彩子
OHMURA Ayako
自然科学系 准教授
- 専門分野
- 物性物理
- キーワード
- X線結晶構造解析、高圧物性、輸送特性
研究の目的、概要、期待される効果
物質に圧力を加えると原子間距離が縮小し、いずれ構造相転移や電子転移を引き起こします。我々のグループでは、圧力誘起の超伝導転移や構造相転移を中心に、主な手法である輸送特性の評価やX線回折法による結晶構造解析等により圧力下で生じる様々な現象を物性と構造の両面から調べています。右図は、物性研究にて利用される代表的な高圧セルの一つ「ダイヤモンドアンビルセル(DAC)」(上)とDACを用いたX線回折実験(下)の概要です。本セルでは数万気圧~数百万気圧の圧力発生が可能です。
現在、高圧力はあらゆる研究分野で利用されており*、その圧力範囲・発生方法も様々です。圧力発生技術は、「対象物の体積圧縮」という非常にシンプルな実験手法ですが、物質・材料の評価から新規状態の創生まで多方面での応用が可能であると考えられます。
*日本高圧力学会ホームページより:
https://www.highpressure.jp/profile/outline.shtml
関連する知的財産論文等
- ・H. Leng, A. Ohmura, L. N. Anh, et al., Journal of Physics: Condensed Matter 32, 025603 (2020).
- ・A. Ohmura, Y. Higuchi, T. Ochiai, M. Kanou F. Ishikawa, et al., Physical Review B 95, 125203 (2017).
- ・A. Ohmura, M. Matsuzawa, F. Ishikawa, et al., Jpn Journal of Applied Physics 56, 05FB04 (2017).
アピールポイント
常圧及び圧力下での結晶構造解析や輸送特性の評価が可能であり、発生圧力域は高圧セルのセットアップで選択できます。光学窓をもつ高圧セルでは顕微鏡下での観察も可能です。
つながりたい分野
- ・高圧力を用いた評価法だけでなく、私たちの研究で必要不可欠な圧力発生セルの設計・製作に興味のある分野の企業の方など。
お問い合わせは新潟大学社会連携推進機構ワンストップカウンターまで
onestop@adm.niigata-u.ac.jp