新潟大学 社会連携推進機構

環境・エネルギー
2025.05.16

機能性物質における機能性発現メカニズムの解明

~ ESR法による電子スピン観測 ~
共用設備基盤センター 物質分子科学研究室
古川 貢
古川 貢
FURUKAWA Ko
自然科学系 准教授
専門分野
物理化学、物質科学、磁気共鳴
キーワード
機能性物質、機能発現メカニズム、電子スピン共鳴
関連URL
https://researchmap.jp/read0161482/

研究の目的、概要、期待される効果

 電気を流す、磁気を帯びるといった性質を持つ機能性物質はよく研究されています。近年では、太陽電池開発では、光を吸収して電気を発生する機能性物質が注目を集めています。これらの機能性物質の実用化を見据えた場合、「高効率な機能性物質開発」が不可欠です。私たちは、「機能が電子によって発現される」ことに着目し、電子スピンを直接観測することで、機能発現メカニズムの解明を試みています。
 解明の方法論して、私たちは電子スピン共鳴(Electron Spin Resonance,ESR)法にて電子(スピン)を直接観測しています。中でも高周波ESR、パルスESR、時間分解ESRと言った特殊な(アドバンスドな)ESR法を駆使することで、機能を解釈することが私達の特徴です。これにより、電子スピンの状態、電子スピンの動的挙動などの機能発現メカニズムに関する詳細な情報を収集できます。新たな機能性物質開発のシーズを生み出しています。
 最近では、米糠に含まれる金属イオン成分をESR法で観測することで、品種や産地の違いを解明することも試みています。これをうまく活用できれば、さまざまな食物へ展開することが期待できます。

関連する知的財産論文等

  • 1. S. Jin, M. Supur, M. Addicoat, K. Furukawa, L. Chen, T. Nakamura, S. Fukuzumi, S. Irle, and D. Jiang, J. Am. Chem. Soc., 137, 7817-7827 (2015).
  • 2. W. Fu, J. Zhang, T. Fuhrer, H. Champion, K. Furukawa, T. Kato, J. Mahaney, B. Burke, K. Williams, K. Walker, C. Dixon, J. Ge, C. Shu, K. Harich, and H. Dorn, J. Am. Chem. Soc., 133, 9741-9750 (2011). など

アピールポイント

様々な物質のESR測定を行なうことができます。中でも高周波ESRや時間分解ESRといったアドバンスドESR測定により機能を解釈することができます。

つながりたい分野

  • ・新たな機能性物質開発分野
  • ・機能性食材等を扱う生化学系分野
  • ・電子が絡んだ機能性メカニズムの解明を望んでいる分野の企業とのつながりを期待します。

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