
環境・エネルギー
2025.05.16
再生可能エネルギー利用による環境調和型ハウス栽培システム
農学部 流域環境学プログラム
農業システム工学研究室

大橋 慎太郎
OHASHI Shintaroh
自然科学系 准教授
- 専門分野
- 農業環境工学、農業情報工学
- キーワード
- 水熱源ヒートポンプ、地下水、再生可能エネルギー、周年栽培
研究の目的、概要、期待される効果
積雪寒冷地域におけるハウス栽培において、冬期暖房用燃料の高騰により暖房コストが増加しています。生産コストの低減が熱望されており、また地球温暖化効果ガスとしてCO2排出量の削減が喫緊の課題となっている昨今、化石燃料を使用しないヒートポンプ技術の応用が再注目されています。特に積雪寒冷地域ではデフロストのない水熱源ヒートポンプの応用が期待されています。水熱源ヒートポンプの性能向上は目覚ましいですが、熱源のための井戸掘削費用等の負担が課題となり普及に至っていません。
そこで積雪寒冷地域の生活基盤として普及している既存消雪設備を利用した水熱源ヒートポンプシステムを構築しました。灯油式ボイラによるハウス環境制御と比較し、栽培環境の再現性、暖房コスト、CO2排出量、暖房コストに消雪コストを含めたトータルコストから構築した水熱源ヒートポンプシステムの導入効果を評価した結果、積雪寒冷地域において暖房コストおよびCO2排出量削減を同時に実現するシステムであることが示されました。今後、水熱源ヒートポンプの導入が増えることで、価格低下や初期投資費の低減が期待され、更なる普及促進が期待されています。
関連する知的財産論文等
- ・消雪設備に水熱源ヒートポンプを併設したハウス暖房の暖房コスト及びCO2排出量の削減効,共著,農業施設,2012,43巻4号,123-130,大橋慎太郎・中野和弘・田口弘毅・古野信典
アピールポイント
既存設備の有効利用による導入コストの低減。
ローカルエネルギー利用での持続・循環型利用。
周年栽培環境の創出による農家の増収。
エネルギー自給率の向上、CO2排出量の低減。
つながりたい分野
- ・積雪寒冷および中山間地域の地域活性化を農業分野から目指す地域
- ・観光産業と農業分野を融合し、環境に配慮した農業活動を進めたい地域
お問い合わせは新潟大学社会連携推進機構ワンストップカウンターまで
onestop@adm.niigata-u.ac.jp