環境・エネルギー
2025.05.16
広帯域誘電緩和分光によるイオンの並進・回転ダイナミクス
理学部 化学プログラム
溶液化学研究室

梅林 泰宏
UMEBAYASHI Yasuhiro
自然科学系 教授
- 専門分野
- 溶液化学、分析化学、電気化学
- キーワード
- リチウムイオン電池、電解液、誘電緩和法、交流インピーダンス法
研究の目的、概要、期待される効果
現行リチウムイオン電池の課題として容量密度が小さいという点があげられます。容量密度の増加に伴う高エネルギー密度化が求められており、そのためには電解液中での高いリチウムイオン伝導が必要となってきます。種々の電解液で特異的なリチウムイオン伝導が報告されていますが、その伝導機構は解明されていません。
私たちは特異的なリチウムイオン伝導が示唆されているグライム系溶媒和イオン液体について誘電緩和分光測定を行いました。誘電緩和法はマイクロ波を用い、双極子の再配向としての回転運動を観測しています。そして従来の電解液では見られない極めて遅い双極子応答を見出し、この双極子再配向過程が高速リチウムイオン伝導を支配することを明らかにしました。
広帯誘電緩和分光法では1 mHz ~ 1 MHzの交流インピーダンス法と、1 MHz ~ 50 GHzの誘電緩和法とを融合させ、高速イオン伝導を示す新規電解液に適用し、そのイオン伝導機構の解明を目指しています。
関連する知的財産論文等
- ・J. Phys. Chem. C 2019, 123, 50, 30228–30233
アピールポイント
広い周波数帯域の複素導電率・複素誘電率を測定します。高周波帯域では双極子の再配向を観測し、極性溶媒からなるほとんどの電解液で測定が可能です。
つながりたい分野
- ・電池電解液の研究開発
- ・リチウムイオン電池、ポスト・リチウムイオン電池の研究開発
お問い合わせは新潟大学社会連携推進機構ワンストップカウンターまで
onestop@adm.niigata-u.ac.jp






