新潟大学 社会連携推進機構

農・食・バイオ
2025.05.16

樹木の新品種開発と種苗生産

農学部 流域環境学プログラム 森林遺伝育種学研究室
森口 喜成
森口 喜成
MORIGUCHI Yoshinari
自然科学系 准教授
専門分野
林木育種学、森林遺伝学
キーワード
種苗生産、新品種開発、DNA解析、遺伝的評価
関連URL
http://www.agr.niigata-u.ac.jp/~shinrinidenikushu/index.html

研究の目的、概要、期待される効果

 我々が最も力を入れて取り組んでいるのは、花粉を飛ばさない「無花粉スギ」の研究です。スギ花粉症の罹患率は年々増加しており、現在では国民の3人に1人がスギ花粉症と言われ、深刻な社会問題となっています。このような背景から、無花粉スギ等の花粉症対策に資するスギ苗木の開発・供給が求められています。
 無花粉スギは1992年に初めて発見され、その後の研究で単一の潜性遺伝子(雄性不稔遺伝子)によって生じることが報告されました。新潟大学では、自然界に数千本に1本と推定されている無花粉スギの探索を精力的に行い、これまでに約10個体の無花粉スギを選抜しました。さらに、これらの無花粉スギを調査した結果、5種類の雄性不稔遺伝子(MS1~MS5)が存在することを発見しました。また、造林用の種子を生産するための採種園の改良にも取り組んでおり、これまでに様々なタイプの採種園で生産された種子の評価を行ってきました。
 現在は、無花粉スギの花粉崩壊過程の顕微鏡観察、雄性不稔遺伝子の連鎖地図へのマッピング、無花粉スギを判定するDNA解析手法の開発とマーカー選抜、無花粉スギの簡易判定法の開発等に取り組んでいます。

関連する知的財産論文等

  • ・Y Moriguchi et al., Forests 11, 734 (2020), doi:10.3390/f11070734
  • ・Y Hasegawa et al., Scientific Reports 11, 1496 (2021), doi:10.1038/s41598-020-80688-1
  • ・M Watanabe et al., Tree Genetics & Genomes 18, 29 (2022), doi:10.1007/s11295-022-01561-y
  • ・E Tsurisaki et al., Journal of Plant Biology in press (2023), doi:10.1007/s12374-023-09415-3

アピールポイント

これまでに発見されたすべての雄性不稔遺伝子MS1~MS5に起因する無花粉スギを保有しており、精力的に研究を行っています。

つながりたい分野

  • ・樹木の種苗生産や品種改良を行っている会社、試験研究機関

お問い合わせは新潟大学社会連携推進機構ワンストップカウンターまで

onestop@adm.niigata-u.ac.jp
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