新潟大学 社会連携推進機構

農・食・バイオ
2025.05.16

野生コムギを利用した雑種遺伝学

~ 国産コムギ育種の加速を目指して ~
農学部 生物資源科学プログラム 植物遺伝育種学研究室
岡田 萌子
岡田 萌子
OKADA Moeko
自然科学系 助教
専門分野
コムギ、遺伝学、育種学、ゲノム科学、倍数性進化、生殖形質
キーワード
コムギ育種、野生遺伝資源、種間雑種、スピードブリーディング、ハイブリッド育種
関連URL
https://moekookada.github.io/

研究の目的、概要、期待される効果

 気候変動によるコムギ減収や世界情勢による輸入量減少、人口爆発などを受け、過酷な環境でも育つコムギ品種の需要が国内外で高まっています。こうしたニーズに迅速に応えるべく、我々のグループでは下記研究に取り組んでいます。

(1)野生コムギのポテンシャルを活かした育種
 これまでに収集した多様な野生コムギ(図1)を使った雑種育成や雑種遺伝学によって、ストレスに強い、病気に強いなど、野生コムギが持つポテンシャルを網羅的にカタログ化し、野生種の強みを最大限に生かす品種育成を目指します。

(2)スピード×ハイブリッド育種
 播種から収穫までを3か月以内に短縮し、1年中交配ができる屋内スピード栽培システムの開発と、雑種強勢を利用したハイブリッド育種を組み合わせて(図2) 、幅広いニーズに迅速に対応する育種システムの開発を目指します。

 これらの研究を通じて、日本中で広く栽培されるコムギ品種の育成に貢献したいと考えています。

関連する知的財産論文等

  • ・Okada et al. (2017) Plant Mol. Biol. (栽培種と野生種の間の雑種生育異常メカニズムを明らかにした)
  • ・Okada et al. (2018) Jour. Cereal Sci. (合成コムギの種子形質を評価した)
  • ・Son, Kasazumi, Okada et al. (2024) Sci. Rep. (野生種カサコムギの種内多様性を評価した)

アピールポイント

日本の高湿・多雨気候を代表する新潟の気候で開発された新品種は、日本全国に普及可能な品種として日本のコムギ自給率向上への貢献も期待できます。

つながりたい分野

  • ・コムギに関わる全ての方(研究者、自治体、生産、加工業など実需者まで)
  • ・栽培施設など、農業資材に関わる企業
  • ・野生種の育種・園芸的活用に興味のある方

お問い合わせは新潟大学社会連携推進機構ワンストップカウンターまで

onestop@adm.niigata-u.ac.jp
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