新潟大学 社会連携推進機構

農・食・バイオ
2025.05.16

異種生体内での機能を再現可能な生殖細胞作製

農学部 生物資源科学プログラム 家畜繁殖学研究室
山城 秀昭
山城 秀昭
YAMASHIRO Hideaki
自然科学系 教授
専門分野
動物生殖学、発生工学
キーワード
胚盤胞補完法、多能性幹細胞、精子、卵子、遺伝子改変動物

研究の目的、概要、期待される効果

 新たな国際環境の下で、我が国の農林水産業・食品産業が持続的に維持・発展するためには、全く新たな食料生産のあり方に挑戦し、新しい競争力の源泉を生み出す先導的な技術の開発が急務です。本研究では、異種胚盤胞補完法、遺伝子改変技術および多能性幹細胞技術を融合することにより、小型実験動物のマウス体内で、ウシをはじめとした異種動物の生殖細胞を作製し、人工的にその産子を取得する革新的な技術を開発しています。
 本研究開発が成功した場合、我が国における優良種雄・雌牛の配偶子を短期間で大量に、かつ効率的に生産することが可能になります。また、性成熟に達する期間が短い小型実験動物を利用することで、世代間隔の短縮が期待でき、育種改良家畜の生産に大きな貢献が期待されます。その技術は、畜産現場において次世代型の繁殖・育種技術のシーズとなるだけでなく、日本が革新された家畜生産短期化を先導することになり、持続可能な食料生産、そしてアジア・世界への技術移転にも展開することになります。加えて、小型実験動物の畜産業への利用など、実験動物業界においても次世代型の動物資源利用への発展に画期的進歩をもたらすものとなります。
 さらに、各種器官の究極的な異種での新たな機能を有する臓器移植用動物生産といった再生医療研究領域に対しても大きな影響を与えるものとなります。

アピールポイント

まだ実験段階の研究ですが、新たな食料生産、生殖補助医療、再生医療などの応用に展開できる可能性のある技術開発になります。

つながりたい分野

  • ・都道府県の畜産試験場、畜産農家、実験動物のブリーダー、生殖補助医療クリニック、動物製薬企業等

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