
農・食・バイオ
2025.05.16
水田におけるカーボンニュートラルと農工業技術開発
~ 食料生産、環境負荷低減、バイオ製品生産などの社会実装を目指す ~
農学部 生物資源科学プログラム
作物学研究室

山崎 将紀
YAMASAKI Masanori
自然科学系 教授
- 専門分野
- 境界農学、作物学、植物遺伝育種学、応用化学工学
- キーワード
- バイオマス、イネ、メタン、食料生産、カーボンニュートラル
研究の目的、概要、期待される効果
温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させるカーボンニュートラルを2050年に達成することを日本政府は目標としています。温室効果ガスは二酸化炭素CO2だけでなく、メタンCH4や一酸化二窒素N2Oもあり、水田環境では、この2つのガスも発生しています。水田における温室効果ガス排出量を実質ゼロにする取り組みを進めています。
まずイネとして、食料生産と稲わらとしてのバイオマスの増産を両立する新品種を育成していき、 CO2が吸収されます。稲わらは前処理、糖化、発酵、精製を経てプラスチックの原料となるポリマーなどの化学物質を生産していきます。
農水省による「みどりの食料システム戦略」に有機農業の推進が掲げられています。有機肥料を有効に活用することで、残存肥料が減るためにN2O発生が抑制されます。また中干し(田植え後約1ヶ月後に排水してひびが入るまで乾燥させる)を長期化することで、土壌の嫌気性が解消されてがCH4が抑制されます。
現在育成したイネを栽培しながら、関連するデータを取得したり、機器開発をすすめて栽培技術の確立と社会実装を目指していきます。
関連する知的財産論文等
- ・Goda et al. (2016) Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry Vol.80: pp. 863-869.
- ・Teramura et al. (2017) Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry Vol.81: pp. 1650-1656.
アピールポイント
イネや水田、稲わらの有効利用、栽培技術や有機肥料を総合的に見直して、新たな技術や社会実装を考えて、カーボンニュートラルを目指します。
つながりたい分野
- ・イネ生産者、カーボンニュートラルを考えている企業・自治体・研究所
- ・コメの流通・販売、製造・加工に関連する企業
お問い合わせは新潟大学社会連携推進機構ワンストップカウンターまで
onestop@adm.niigata-u.ac.jp