新潟大学 社会連携推進機構

農・食・バイオ
2025.05.16

ビフィズス菌のヒトミルクオリゴ糖代謝経路に迫る

~ 母乳とビフィズス菌の関係 ~
農学部 食品科学プログラム 食品工学研究室
北岡 本光
北岡 本光
KITAOKA Motomitsu
自然科学系 教授
専門分野
酵素利用学、糖質化学、食品工学、食品科学
キーワード
酵素、オリゴ糖、プレバイオティクス、ビフィズス菌
関連URL
https://www.agr.niigata-u.ac.jp/teachers/2321

研究の目的、概要、期待される効果

 種々のオリゴ糖が腸内善玉菌を増やす働きを示すことによりプレバイオティクスとして食品開発されています。ビフィズス菌はプレバイオティクスの主要なターゲットです。乳児腸内でのビフィズス菌定着は乳児健康に重要であるとされます。ビフィズス菌は母乳に含まれるヒトミルクオリゴ糖(HMO)を選択的に代謝することにより優先的な増殖を得ることが古くから知られていました。しかしながらHMOはオリゴ糖の複雑な混合物であり、その代謝経路は長年明らかにされていませんでした。私たちは2005年にビフィズス菌が菌体内にHMOの非還元末端に多く存在する二糖類であるラクト-N-ビオースI(LNB)の特異的代謝経路を持つことを発見しました。この発見を契機として共同研究者らとビフィズス菌のHMO利用に関わる酵素群を同定することに成功し、現在ではゲノム情報からHMO代謝経路の有無を確認できるようになりました。
 乳児腸管から単離されるビフィズス菌種の大部分はLNB特異的代謝経路を持ちます。LNBはビフィズス菌増殖因子として期待されますが、有効な製造法が存在しませんでした。私たちはLNBを安価な原料のショ糖とN-アセチルグルコサミンから一段階の酵素法により大量に製造できる方法を開発しました。食品素材としての応用を期待しています。

関連する知的財産論文等

  • ・ラクト-N-ビオースI及びガラクト-N-ビオースの製造方法 (特許4915917号)
  • ・オリゴ糖の製造方法(特許6678483号)
  • ・北岡本光、糖質関連酵素活用技術の開発., 応用糖質科学, 8 (1), 20-32 (2018)

アピールポイント

HMO関連以外にも種々のオリゴ糖大量調製技術を開発しております。酵素法によるオリゴ糖類の大量調製技術に興味をお持ちでしたらご連絡ください。

つながりたい分野

  • ・食品・薬品関連企業など

お問い合わせは新潟大学社会連携推進機構ワンストップカウンターまで

onestop@adm.niigata-u.ac.jp
Contact
新潟大学 産学連携協力会
新潟大学