新潟大学 社会連携推進機構

農・食・バイオ
2025.05.16

農耕地における土壌微生物の生態と利用に関する研究

農学部 応用生命科学プログラム 土壌学研究室
原田 直樹
原田 直樹
HARADA Naoki
自然科学系 教授
鈴木 一輝
鈴木 一輝
SUZUKI Kazuki
自然科学系 准教授
専門分野
土壌学、土壌微生物学、環境土壌学、土壌生化学、環境DNA学
キーワード
土壌微生物、土壌改良、肥料・資材、環境DNA解析

研究の目的、概要、期待される効果

 土壌には多種多様な微生物が生息し、その機能も多岐にわたります。土壌の酸化や還元、生物遺体の分解、施用した肥料成分の変換、温室効果ガスの放出など、土壌の物質循環の中心にはこれら微生物の活動があります。また、植物との関係に注目すると、土壌栄養循環はもちろん、大気中から窒素を取り込むものや、根の内部に入り込み共生関係を構築するもの、逆に病害を引き起こすものなど、彼らの生態を理解することは農耕地や自然の保全に重要です。
 こうした背景のもと、私たちの研究室では、農耕地土壌を中心に微生物群集の機能や相互作用、植物との共生関係について研究を展開しています。特に、微生物の種類と存在割合はどのようにして決まるのか、すなわち群集形成機構がどのように制御されているのかに興味を持っています。
 近年、核酸(DNAやRNA)を短時間に大量に解析する技術が発達してきました。土壌や植物体内の微生物のほとんどは現在の技術では培養することが困難なものですが、これらの環境中の核酸を分析することで微生物群集を詳細に解析することが可能となりました。また、環境核酸分析は応用の幅が広く、微生物に限らず、植物群集など生態系モニタリングへの応用にも挑戦しています。

関連する知的財産論文等

  • ・Bacterial Community Composition Under Paddy Conditions Is More Strongly Affected by the Difference in Soil Type than by Field Management
    水田細菌群集組成は、圃場管理よりも土壌の種類の違いにより影響を受ける(Microbial Ecology 86: 2552-2559)
  • ・Impact of the chemical composition of applied organic materials on bacterial and archaeal community compositions in paddy soil
    水田土壌における細菌群集組成に対する施用有機資材の化学組成の影響(Biology and Fertility of Soils 58: 135-148)

アピールポイント

肥料や農業用資材の効果や作用機序を微生物生態学的に解析することができます。
環境DNAを用いた生物群集の解析が得意です。

つながりたい分野

  • ・新規の農法や農業用資材の効果や応用可能性について検討したい方
  • ・農耕地の土壌微生物に興味をお持ちの方

お問い合わせは新潟大学社会連携推進機構ワンストップカウンターまで

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