新潟大学 社会連携推進機構

農・食・バイオ
2025.05.16

新規・希少天然物の生合成創出

~ バイオテクノロジーで作る ~
農学部 応用生命科学プログラム 生物有機化学研究室
佐藤 努
佐藤 努
SATO Tsutomu
自然科学系 教授
上田 大次郎
上田 大次郎
UEDA Daijiro
自然科学系 助教
専門分野
生物有機化学、天然物化学、ケミカルバイオロジー
キーワード
食品、天然物、生合成、テルペン、香料、医薬
関連URL
http://www.agr.niigata-u.ac.jp/~satot/index.html

研究の目的、概要、期待される効果

 生物が生産する有機化合物を天然物と呼びます。私達は、生物から新しい天然物を発見する研究を行っています。また、天然物が生物の中でどのように作られているか(生合成)を解析して、その酵素や経路をバイオテクノロジーによって改変して、新規・希少天然物を創出することも行っております。
 例えば、マッコウクジラが生産する龍涎香(りゅうぜんこう)は、古くから世界各地で香料・伝統薬として利用されていましたが、商業捕鯨が禁止されている現代では入手困難です。私達は、天然物生合成酵素の発見から、龍涎香主成分アンブレインの人工的な経路を創出して生合成に成功しました。生合成経路が分からない天然物でも、他の生物由来の酵素を改変することで生物合成できることを示しております。
 現在、アンブレインを産業利用するため、バイオテクノロジーによる酵素改変等による生産量増加、香気成分への変換、アンブレインの生理活性解析の研究を他の研究者と共同で進めております。
 その他にも、医薬、農薬、食品などに関係する研究を進めております。対象の生物は、微生物・植物・動物など何でもOKです。

関連する知的財産論文等

  • ・アンブレインの製造方法アンブレインの製造方法、特願2013-184143(出願日 2013/09/05)、国際出願
    番号PCT/JP2014/071333(出願日 2014/08/12)、佐藤努・上田大次郎・星野力、新潟大学
  • ・Ueda, D., Hoshino, T., Sato, T., J. Am. Chem. Soc., 2013, 135, 18335-18338.
  • ・Yamabe, Y., et al., Sci. Rep., 2020, 10, 19643.

アピールポイント

有機合成が難しい天然物や有機合成品がなじまない製品によいです。
酵母・大腸菌等での発酵生産も遺伝子組み換え酵素による試験管内酵素合成もできます。

つながりたい分野

  • ・希少・新規な天然物を生合成で作りたい方
  • ・香料・製薬・農薬・化成・食品などの企業の方
  • ・新しい天然物を見つけたい方

お問い合わせは新潟大学社会連携推進機構ワンストップカウンターまで

onestop@adm.niigata-u.ac.jp
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