新潟大学 社会連携推進機構

医療・健康・福祉
2025.04.22

近赤外光線免疫療法による脳腫瘍の治療

~ 脳腫瘍の世界に光を ~
脳研究所 脳神経外科学分野
棗田 学
棗田 学
NATSUMEDA Manabu
脳研究所 特任准教授
温 城太郎
温 城太郎
ON Jotaro
医歯学系 大学院生
専門分野
脳神経外科学、悪性脳腫瘍、プレシジョンメディシン
キーワード
悪性脳腫瘍、近赤外線、抗体医薬品、がん抗原、がん特異的抗体

研究の目的、概要、期待される効果

 近赤外線免疫療法(NIR-PIT)は、従来の放射線治療や化学療法、光線力学療法とは全く異なる機序を有する新規のがん治療法です。頭頸部領域のがんに臨床応用が開始されていますが、脳腫瘍を対象とした臨床応用はまだされていません。

 NIR-PITでは光感受性物質を結合させた抗体を腫瘍細胞に反応させ、人体に無害で比較的透過性のある近赤外線を照射することで、細胞膜を破壊し腫瘍細胞だけを死滅させます。

 従来の治療とは異なり、体の正常な部分には害を与えずに、腫瘍細胞のみを退治することが可能な、人間にとって理想的な治療法と期待されます。

 鍵を握るのが、腫瘍細胞のみに反応するような抗体を見つけることと、効率的な照射デバイスの開発です。前者については当教室では他大学と連携し、抗体の探索・開発を行っています。後者については新潟大学工学部と協力して、安価で軽量なシステムの開発に成功しています。将来どこでも・簡単に・安価に治療ができることを目指して治療法の開発を続けています。
 近赤外線免疫療法(NIR-PIT)は、従来の放射線治療や化学療法、光線力学療法とは全く異なる機序を有する新規のがん治療法です。頭頸部領域のがんに臨床応用が開始されていますが、脳腫瘍を対象とした臨床応用はまだされていません。

 NIR-PITでは光感受性物質を結合させた抗体を腫瘍細胞に反応させ、人体に無害で比較的透過性のある近赤外線を照射することで、細胞膜を破壊し腫瘍細胞だけを死滅させます。

 従来の治療とは異なり、体の正常な部分には害を与えずに、腫瘍細胞のみを退治することが可能な、人間にとって理想的な治療法と期待されます。

 鍵を握るのが、腫瘍細胞のみに反応するような抗体を見つけることと、効率的な照射デバイスの開発です。前者については当教室では他大学と連携し、抗体の探索・開発を行っています。後者については新潟大学工学部と協力して、安価で軽量なシステムの開発に成功しています。将来どこでも・簡単に・安価に治療ができることを目指して治療法の開発を続けています。

関連する知的財産論文等

  • ・棗田学. 科研費若手研究(B)、H29〜30、「IDH変異型グリオーマにおける表面抗原を標的とした術中療法の開発」
  • ・棗田学. 科研費基盤研究(C)、R1〜2、「悪性神経膠腫に対して腫瘍特異的ポドプラニンを標的とした術中療法の開発」
  • ・Watanabe, Natsumeda et al., World Neurosurgery, 2018(PMID: 31345255)
  • ・Kanemaru, Natsumeda et al., Acta Neuropathol Commun, 2019(PMID: 31100523)

アピールポイント

新潟県内唯一の大学病院として大勢の脳腫瘍患者さんの治療経験があります。また国内有数の脳研究施設である脳研究所の一員として、脳研究所他分野との連携は密で、脳腫瘍の正確な診断、病態解析が可能です。

つながりたい分野

  • ・抗体医薬品の開発に関する分野、光学に関連する計測機器、医療機器メーカーとの連携を期待します。

お問い合わせは新潟大学社会連携推進機構ワンストップカウンターまで

onestop@adm.niigata-u.ac.jp
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