新潟大学 社会連携推進機構

農・食・バイオ
2025.05.16

光合成する細胞(藻類や植物)の環境応答機構解析

理学部 自然環境科学プログラム 機能形態学研究室
林 八寿子
林 八寿子
HAYASHI Yasuko
自然科学系 准教授
専門分野
細胞生物学、機能形態学、藻類系統学、植物生理学
キーワード
子葉細胞、藻類細胞、電子顕微鏡、オルガネラ、プラスチック微粒子

研究の目的、概要、期待される効果

 藻類や植物など光合成能を有する細胞が環境からのストレスにどう反応して、細胞内のオルガネラの機能を変化・調節しているかを調べています。
 藻類や植物の細胞は動物細胞とは異なり、光合成を行い、自らのエネルギー源を作り出します。そのエネルギー源は、デンプンや貯蔵脂肪等として細胞内に蓄えられ、必要に応じて代謝されます。研究室では、藻類や植物の細胞での貯蔵物質の蓄積と消費の調節機構を明らかにし、藻類の生き残り戦略、藻類を用いたバイオマス生産、食糧不足問題に対する植物の生産量維持等に貢献できるような細胞の環境応答機構の解明を目指しています。
 現在、「植物の発芽子葉細胞内での貯蔵脂肪の消費・減少メカニズム」や「藻類における脂肪体の消失・代謝機構」について解析しています。
 また、環境に放出されるプラスチックゴミが生態系に深刻な被害をもたらしていることが、最近、問題となっていることから、「水環境内に放出されたプラスチック微粒子が与える植物性プランクトンへの影響」についても研究を始めています。これまでに様々な単細胞緑藻や赤潮の原因となる種を含む多くの藻類がプラスチック微粒子によって死滅することや、一部の真菌類については生育阻害を引き起こすことも分かってきました。

関連する知的財産論文等

  • ・Oikawa et., al. Nature Communications 13:7493. (2022)
  • ・Ayat et., al. Algal Reseach54:102191(2021)
  • ・Hayashi et., al. Cytologia, vol.83: pp123-124 (2018)

アピールポイント

新潟大学において、藻類を研究材料としている研究室は珍しいです。分子生物学的、あるいは生理学的解析の他に、透過型電子顕微鏡解析を得意としています。

つながりたい分野

  • ・藻類や植物の細胞への新機能物質や薬剤の影響などを調べたい製薬、農薬会社。
  • ・透過型電子顕微鏡や藻類への遺伝子導入技術を知りたい企業研究者

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