新潟大学 社会連携推進機構

医療・健康・福祉
2025.07.16

非侵襲的な深部組織血流動態と酸素動態の同時計測

工学部 人間支援感性科学プログラム 中林研究室
中林 実輝絵
中林 実輝絵
NAKABAYASHI MIKIE
自然科学系 助教
専門分野
生体医工学、生体計測、生体光計測、信号処理
キーワード
近赤外分光法、拡散相関分光法、血流計測、筋機能計測、近赤外光

研究の目的、概要、期待される効果

 身体に害を与えることなく、深部組織の血流および酸素動態を、安静時から運動中に至るまで、同時かつ簡便に定量計測可能な技術の開発を行っています。具体的には、近赤外光を利用した拡散相関分光法(DCS)により、筋などの深部組織の血流動態を評価し、近赤外分光法(NIRS)による酸素動態を把握する手法を統合し、1台の装置で両者を同時計測できるシステムを構築しています。これに加え、脳波・筋電図・血圧・体温・医師や看護師と協力して得た血液検査などの結果、などの多種多様な生理指標を併用することで、循環応答の調節機序や筋などの組織の機能の多角的な解析を行っています。
 これにより、医学分野では、様々な疾患のリスク評価・治療効果の可視化・術後回復のモニタリングなど、スポーツや運動生理学分野では、トレーニングやリハビリテーションの最適化・運動効果や疲労度の定量評価など、への応用が期待されます。非侵襲的で繰り返し使用可能なために、研究用途のみならず、臨床・実務現場にも展開可能な高い応用性があり、医療・健康・スポーツなどの幅広い分野における学術的・実践的ブレイクスルーの創出が期待できます。

  •    血流計測システムの概要[1]

  • 計測結果の例(局所筋電気刺激時の血流/酸素動態[2])

関連する知的財産論文等

  • [1]計測装置、計測方法およびプログラム(特開2024-035423)
  • [2]M. Katagiri, M. Nakabayashi, M. Ichinose et al., J. Appl. Physiol, 136(5) 1053-1064 (2024)

アピールポイント

 深部組織の酸素動態と、これまで計測が難しかった深部組織の血流を、非侵襲的かつ動的に同時測定することができます。

つながりたい分野

  • ・医学、リハビリテーション、運動・スポーツ、健康の維持増進に関連する分野
  • ・光技術について技術力やノウハウのある研究室、企業、研究所、自治体等

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