医療・健康・福祉
2025.04.22
包括的かつ定量的なタンパク質解析技術の開発
医学部
松本研究室(システム生化学分野)

松本 雅記
MATSUMOTO Masaki
医歯学系 教授
- 専門分野
- タンパク質化学、細胞生物学、プロテオミクス、バイオインフォマティクス
- キーワード
- 老化、がん、オミクス、質量分析、絶対定量
研究の目的、概要、期待される効果
生体内で起きている多種多様な生化学反応は主にタンパク質によって行われています。タンパク質の配列はゲノム情報から容易に推定することができますが、その量、構造、活性など実際のタンパク質の生体内での機能を知るために必要な情報はゲノム情報から直接読み取ることはできません。また、多くのタンパク質は他のタンパク質と相互作用してネットワークを形成して機能することから、単独タンパク質の機能解析だけでは、生命システムを十分に理解することは困難です。
そこで、私達は、質量分析計を駆使して、タンパク質の総体であるプロテオームの状態を包括的かつ定量的に計測するための技術開発やその応用を行なっています。
例えば、タンパク質の存在量を絶対量として計測する手法の開発や、タンパク質上で生じるリン酸化などの翻訳後修飾を網羅的に定量する手法、さらには超少数細胞の発現プロテオーム解析手法の開発などを進めています。
これらの技術は、がんや老化などで生じる複雑な細胞内プロセスの変化を読み解く手法を提供します。
関連する知的財産論文等
- ・タンパク質の定量方法(特許第5468073号)
- ・Matsumoto M. et al. Nat. Methods, 14, 251-258 (2017)
- ・Kodama M. et al. Nat. Commun. 11, 1320 (2020)
アピールポイント
これまで抗体で行われてきたタンパク質機能解析の限界を容易に突破することができます。
ヒトに限らず、微生物から植物まで幅広い対象を解析可能です。
つながりたい分野
- ・製薬、食品、生物環境などタンパク質を対象とするあらゆる分野。
- ・質量分析によるタンパク質やペプチド定量を導入したい企業等。
お問い合わせは新潟大学社会連携推進機構ワンストップカウンターまで
onestop@adm.niigata-u.ac.jp


