新潟大学 社会連携推進機構

医療・健康・福祉
2025.04.16

「うおぬま地方の健康調査」

食生活と身体活動の与える影響の解明を目的とした新潟県魚沼圏域住民/健診ベースの前向きコホート研究 〜 脳血管疾患と高血圧、慢性腎臓病との関係から 〜
医学部 健康増進医学講座
伊藤 由美
伊藤 由美
ITO Yumi
医歯学系 特任准教授
専門分野
疫学、腎臓病学
キーワード
コホート研究、疫学、生活習慣病、地域住民、魚沼市、南魚沼市
関連URL
https://ja-jp.facebook.com/NUHPM

研究の目的、概要、期待される効果

 脳血管疾患やその危険因子である高血圧、慢性腎臓病などの生活習慣病は、身体活動や食習慣などの環境要因と、個人の持つ遺伝的要因が関与しています。私たちは様々な要因と疾患との因果関係を探り、予防に役立てることを目的とし、魚沼市、南魚沼市の地域住民を対象としたコホート調査を行っています。2012年〜2014年にベースライン調査として、40歳以上の住民に対し、生活習慣に関するアンケート調査と血液、尿の検体収集を行いました。使用した質問票は国立がん研究センターのJPHC-NEXT研究で使用しているものに魚沼地域に特化した項目を追加したものであり、食品、嗜好品の摂取状況や運動習慣、生活環境、健康状態などの詳細な情報を得ることができます。また、JPHC-NEXT研究に参加している他地域のデータとの統合解析も可能です。現在、研究同意者40,764人の疾病発生、死亡の追跡を行っており、ベースラインから5年および10年経過した時点での生活習慣に関する再調査も行います。魚沼地域での標準化死亡比は胃がん、大腸癌で低く、老衰、脳血管疾患、自殺が高いという特徴があります。私たちは本研究にて得られたエビデンスを地域から世界へ発信し、疾患予防に役立て、健康寿命の延伸を目指しています。

関連する知的財産論文等

  • ・Study Design and Baseline Profiles of Participants in the Uonuma CKD Cohort Study in Niigata, Japan. Kabasawa K, et.al: J Epidemiol 2020;30(4):170-176
  • ・魚沼圏域の地域医療における疾病予防とコホート研究 田中純太;  新潟県医師会報.2018: 820: 2-6

アピールポイント

大規模なアンケート調査により得られた詳細な生活習慣データであり、その妥当性も検討されています。保存生体試料から生体バイオマーカーの測定や遺伝子解析も可能です。

つながりたい分野

  • ・地域住民の健康を支えるための施策に科学的エビデンスを必要としている自治体
  • ・地域住民の食生活や身体活動などの情報を利活用し、地域から眺めて世界の未来を拓き健康を支えるサイエンスに関心がある分野

お問い合わせは新潟大学社会連携推進機構ワンストップカウンターまで

onestop@adm.niigata-u.ac.jp
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