新潟大学 社会連携推進機構

人文社会科学
2025.04.22

日本における橋梁の維持管理の適正性評価

~ 市町村管理の橋梁における健全性の点検結果を用いて ~
経済科学部 地域リーダープログラム 中東研究室
中東 雅樹
中東 雅樹
NAKAHIGASHI Masaki
人文社会科学系 准教授
専門分野
財政学
キーワード
インフラストラクチャー、老朽化、健全度、定期点検、生存時間分析
関連URL
http://www.econ.niigata-u.ac.jp/~m-nakahigashi/

研究の目的、概要、期待される効果

 日本では、少子高齢化の進展とともに、インフラの老朽化も着実に進展しているといわれています。国は、2012年度補正予算で「防災・安全交付金」を創設したり、道路を含む公共施設の補修・改修にかかわる事業で、施設の延命化や機能強化に資する事業に要する経費を地方債の対象とするようにしています。
 本研究は、国土交通省「道路メンテナンス年報」に掲載されている2014年度から2016年度の3年間の市町村管理の橋梁の総合的な健全度を用いて、普通交付税の有無でみた財政要因が橋梁の健全度の差に影響を与えているかを生存時間分析により明らかにようとしたものです。分析からは、交付団体における橋梁の健全度の早期措置段階への低下は、不交付団体のそれに比べて平均的に早く、財政状況の悪い地域や条件不利地域において橋梁の維持補修への資源投入が不十分であることを示唆しています。
 この結果は、市町村管理橋梁に限られたものではありますが、とくに交付団体や条件不利地域においてインフラストラクチャーの維持補修に向けた更なる資源投入、もしくは維持補修向け支出に対する更なる財政上の配慮が必要であることを示しているといえます。

関連する知的財産論文等

  • ・中東雅樹(2019)「日本における橋梁の維持管理の適正性評価-市町村管理の橋梁における健全性の点検結果を用いて」『財政研究』15巻,144-162ページ

アピールポイント

橋梁以外のインフラストラクチャーに適用すれば、適切な維持管理に必要な財政投入の時期や規模の予測、将来のインフラ整備のあり方を考える材料として役立てられると考えます。

つながりたい分野

  • ・行政統計として収集したものの眠ったままのデータを活用したい自治体
  • ・政策評価の一環として、政策効果を統計的に明らかにしたい自治体

お問い合わせは新潟大学社会連携推進機構ワンストップカウンターまで

onestop@adm.niigata-u.ac.jp
Contact
新潟大学 産学連携協力会
新潟大学