社会基盤
工学部 社会基盤工学プログラム
応用力学研究室
専門分野 | 土木工学、応用力学、計算力学、鉄道工学 |
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キーワード | 繰り返し変形挙動、軌道・路盤、弾塑性モデル、有限要素法、動的作用、形状・物性値の空間的ばらつき |
本研究室では、鉄道軌道に敷設されている「バラスト道床」の繰り返し変形挙動の効率的な解析評価手法の開発に取り組んでいます。バラスト道床は砕石粒子の集合体からなり、25cm程度の層厚で敷設されます。列車荷重の繰り返し作用により、道床や路盤には不可逆的な変形が生じ、極めて多数回の繰り返し作用ののち、上面の「沈下」として維持管理上の問題として顕在化します。
本研究室では、バラスト道床および地盤材料からなる路盤部をcyclic densificationモデルでモデル化し、有限要素法で繰り返し変形挙動を効率よく定量評価する解析手法を開発しています。また、繰り返し変形の発生・進展への寄与の大きい衝撃外力の評価が必要な場合には、動的解析との弱連成解析法を構成し適用しています。
なお、バラスト道床は層厚に比して粒径が小さくない粒子集合体であり、力学挙動の空間的ばらつきが存在します。そのため、確率有限要素法を用いて、幾何情報や力学挙動のばらつきの影響を考慮した繰り返し変形解析を実現しています。
本研究の成果は、バラスト道床の変形メカニズムの解明だけでなく、軌道の効率的な保守作業の実現や設計の合理化に寄与し、鉄道事業者の経営安定化に貢献することが期待されます。
関連する知的財産論文等 | FE-based ballast settlement analysis considering wheel-track dynamic response,Koro, K., Abe, K.,Proc. of Int. Sympo. speed-up & Sust. Tech. for Railway & Maglev Sys., 2015. バラスト材の複数の材料物性値の空間的ばらつきを考慮したバラスト道床沈下解析法,紅露一寛,阿部和久,土木学会鉄道工学シンポジウム論文集,Vol.26, pp.259-266,2022 |
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構造物の動的作用と弾塑性挙動の連成を考慮した繰り返し変形解析が実現できます。
構造部材の形状や力学挙動の空間的ばらつきの影響を考慮した変形解析が実現できます。
・本研究室では、有限要素法などの計算力学手法を用いて、各種力学現象の解明に取り組んでいます。シミュレーションでお困りの製造業・建設業の皆様との協働を希望します。