
医療・健康・福祉

ナノテクノロジー・材料
2025.04.16
エクソソームを通した再生医療、バイオマーカー開発 とそれに関わる技術開発
医学部
消化器内科学研究室

寺井 崇二
TERAI Shuji
医歯学系 教授
- 専門分野
- 消化器病学、肝臓病学、再生医学、細胞外小胞
- キーワード
- エクソソーム、大量培養・抽出、遺伝子改変、タンパク質、miRNA
研究の目的、概要、期待される効果
エクソソームは細胞から産生される100nm前後の非常に小さい細胞外小胞で、脂質二重膜に覆われ安定で、内部に多くのタンパク質やmiRNA等の核酸を含有する事から、治療やバイオマーカーに新たな可能性があると期待されています。
現在消化器内科では、間葉系幹細胞のエクソソームを活用した肝硬変に対する治療開発を目指して研究をしたり、患者血清中のエクソソームをプロテオミクス解析により発現タンパク質を解析する事で新たなバイオマーカーの開発を行っています。今後miRNAを活用したバイオマーカーの開発も行う予定です。
これらの開発は、多くの技術開発により、より高いレベルに導く事ができる可能性があります。例えば、治療においては、細胞を遺伝子改変により、高品質のエクソソームを産生させる技術、細胞を安定に大量に培養して行く技術、産生されたエクソソームを効率よく濃縮していく技術等が開発上重要です。バイオマーカー開発においては、目的のタンパク質やmiRNA等を現在はELISA法やPCRにて解析を行っていますが、更なる技術開発で、臨床との距離をより近くにする事を目標にしています。
関連する知的財産論文等
- ・マクロファージの誘導方法、抗炎症性マクロファージの誘導剤及び医薬組成物、発明者: 寺井 崇二、土屋 淳紀、竹内 卓、出願人:国立大学法人新潟大学PCT/JP2020/9639、(特願2019-042795)
- ・Takeuchi S, Tsuchiya A, Terai S. et al. Small extracellular vesicles derived from interferon-γ pre-conditioned mesenchymal stromal cells effectively treat liver fibrosis.
- ・NPJ Regen Med. Mar 30;6(1):19, 2021.
アピールポイント
エクソソーム採取法や解析法に関して多くの知見を積み重ねてきました。又、再生医療の治験を展開したり、多くの臨床検体を用いた解析が行える事が当科の特徴です。
つながりたい分野
- ・効果的な臨床応用可能な遺伝子導入技術
- ・細胞の大量培養・エクソソームの大量抽出
- ・臨床を目指せるより効果的なエクソソームのタンパク質やmiRNAの測定技術
お問い合わせは新潟大学社会連携推進機構ワンストップカウンターまで
onestop@adm.niigata-u.ac.jp