医療・健康・福祉
2025.04.16
新規の膵臓発がんモデル動物確立
~ 膵臓選択的な遺伝子導入による効率的なモデル動物 ~
医学部
総合診療学講座

上村 顕也
KAMIMURA Kenya
医歯学系 教授
研究の目的、概要、期待される効果
膵がんは予後が不良で、有効な治療法の開発が喫緊の課題です。しかしこれまで、有用なモデル動物が存在しなかったことが、早期診断マーカーや、治療法の確立が進まなかったことの要因の一つです。
そこで私たちは、これまでに開発した、臓器選択的なハイドロダイナミック遺伝子導入法(注1)により、野生型ラットで、効率的な膵臓発がんモデルを確立しました。具体的には、ラットの膵臓にヒト膵がん関連遺伝子である、KRASG12D遺伝子(注2)を導入し、ヒト膵がんに近似する組織構造を持つ膵がんを発生させることができました。また、遺伝子を組み合わせることで転移や浸潤など、ヒト膵がんの経過を模倣できるモデル動物です。分子生物学的解析により、この膵腫瘍細胞内のシグナル伝達もヒト膵がんを模倣すること、臨床現場で使用されている血清学的マーカーが上昇することがわかりました。
現在、このモデルを用いて、膵がんの予後改善に向けた治療法や早期診断マーカーの開発研究を行っています。また臓器選択的な遺伝子導入法が効率的な動物モデル確立に結び付くことも明らかとなり、様々な臓器の難治疾患の病態解明や新たな治療の開発につながると考えます。
関連する知的財産論文等
- ・膵臓選択的ハイドロダイナミック遺伝子導入法、特許第6943427号
- ・Shibata O, Kamimura K, et al. (2022) Establishment of a pancreatic cancer animal model using the pancreas-targeted hydrodynamic gene delivery method. Mol Ther Nucleic Acids. 28:342-352.
アピールポイント
膵がんの予後改善に向けた治療法や早期診断マーカーの開発研究に有用です。
つながりたい分野
- ・難治疾患に対する遺伝子治療研究を推進する分野
- ・膵癌の新規治療法を開発研究する研究者の方、企業様
お問い合わせは新潟大学社会連携推進機構ワンストップカウンターまで
onestop@adm.niigata-u.ac.jp

