
医療・健康・福祉
2025.04.23
遺伝子発現機構の研究
~ 基礎研究から応用研究まで ~
理学部 生物学プログラム
伊東研究室(構造生物学)

伊東 孝祐
ITO Kosuke
自然科学系 准教授
- 専門分野
- 構造生物学、分子生物学、生化学、細菌学、薬学
- キーワード
- X線結晶構造解析、生体分子、遺伝子発現、感染症、ドラッグデザイン
研究の目的、概要、期待される効果
<基礎研究>
DNA上の遺伝情報が、生命活動の実際の働き手であるタンパク質へと変換される「遺伝情報の発現」は生命活動の根幹であり、その仕組みを解き明かすことは、生命科学の中心的なテーマの1つです(図1)。我々は、遺伝情報の発現に関わる生体分子の立体構造をX線結晶構造解析により決定し、生化学的・分子生物学的解析と併せて、それらの反応のメカニズムを原子分解能レベルで解明することを目指しています。
<応用研究>
結核や肺炎など、感染症の拡大は大きな社会問題の1つです。感染症の原因である細菌やウイルスの遺伝子発現を抑制し、その増殖を制御することは感染症を制圧するための有効な手段です。我々は、人間の遺伝子発現に影響を与えることなく、細菌の遺伝子発現のみを効率よく抑制する新規薬剤の開発研究を行っています。ターゲットとなるタンパク質の立体構造をX線結晶構造解析により原子分解能レベルで決定することで、ターゲットタンパク質の鍵穴にフィットする薬剤を効率的に探索・デザインすることができます(図2)。
関連する知的財産論文等
- ・A. Matsumoto, K. Ito et al. (2019) Proteins 87(3): 226-235
- ・H. Imai, K. Ito et al. (2018) Nucleic acids research 46(15): 7820-7830
- ・T. Miyoshi, K. Ito et al. (2016) Nature communications 7: 11846 等
アピールポイント
遺伝情報の発現に関与する生体分子だけでなく、他の生体分子についても立体構造の解析が可能です。また、立体構造に立脚したタンパク質の改変研究についても助言可能です。
つながりたい分野
- ・生体分子の立体構造を開発研究に活用したい医薬品・バイオ系の企業および研究機関 等
お問い合わせは新潟大学社会連携推進機構ワンストップカウンターまで
onestop@adm.niigata-u.ac.jp