新潟大学 社会連携推進機構

人文社会科学
2025.04.24

生活保護受給者を対象とした健康管理支援事業の効果

~ EBPMによる効果的な政策立案 ~
経済科学部 地域リーダープログラム 小川研究室
小川 顕正
小川 顕正
OGAWA Akinobu
人文社会科学系 准教授
専門分野
財政学、公共経済学、地方財政論
キーワード
EBPM、レセプトデータ、政策評価、オープンデータの活用

研究の目的、概要、期待される効果

 わが国の公的部門における政策過程では経験則等のエピソードが重視され,統計データ等に基づいた政策立案,すなわちEBPM(Evidence Based Policy Making)の視点が不足していると言われてきました。近年,国および地方でEBPMの推進が図られてきましたが,道半ばとなっているケースも少なくありません。
 本研究は,EBPMによる政策立案の一例として,生活保護受給者を対象とした健康管理支援事業の効果を約10,000人×3年分のレセプトデータに基づいて分析したものです。生活保護受給者そのものは減少しつつあるものの,生活保護に占める医療扶助の割合は高まっており,医療扶助適正化(生活保護受給者に対する健診受診勧奨など)が求められているところです。
 本研究では,ある自治体から提供された生活保護受給者のレセプトデータをもとに,健診受診の勧奨の効果を,医療費(医薬品点数・診療行為点数)と健康(健診結果)の両面から分析しています。医療扶助の適正化にあたっては,医療機関へのアクセスを適切にコントロールすることと,生活保護受給者の健康管理をバランスさせることが求められますが,このことに本研究の分析結果が役立てられています。

関連する知的財産論文等

  • ・小川顕正・跡田直澄(2024)「生活保護受給者の医療費に関する調査研究中間報告」

アピールポイント

レセプトデータは項目と件数が多く,活用がなかなか進まないデータの一つですが,これを統計的に分析することにより,政策立案に寄与します。

つながりたい分野

  • ・行政統計やアンケート結果などのデータについて統計分析をしたい自治体
  • ・統計分析から得られた結果をもとに政策を立案したい自治体

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